第3回 鉄棒運動は、骨折との戦い

 

 コウヘイ君が、鉄棒を始めたころ、クマゲラは、モーションデータを修正して、[実行]をクリックしました。なっ、なんと、コウヘイ君は、腕を後ろへ回し始めました。 「前へ~、ならへ」ではなく「後ろへ~、ならえ」を始めたのです。あわてたクマゲラは、とっさに、腕をつかんで止めていました。そのとき、「ギコッ」へんな音かしました。それから、コウヘイ君の骨折との戦いが始まりました。

 今回は、こんなお話です。
 
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◆外部からの力で破損する

ロボのギヤは、良くできていて、普通に使っていたのでは、壊れること(破損すること)はないようです。設定された値まで動けない場合でも、動けるところまで動いて止まっています。この状態で、サーボ自体がさらに動こうとして、ギヤを破損することはないようです。

 例えば、鉄棒を握っているとき、モーションデータの値が950では、握りと鉄棒の隙間が少しありクルクル回る状態です。1200くらいの値がちょうど握っている感じで、これ以上握ることはできなくくなります。もし、鉄棒がない状態でしたら、1300とか、1400の値では、握りの径は鉄棒の径よりもさらに小さくなります。しかし、鉄棒を握ったままの状態で、1300とか、1400の値にしても、ギヤを破損することはなく、そのまま握り続けています。(長時間に渡ってこの状態で握り続けていると、モータが焼けるかもしれませんが・・・。焼けるか焼けないかは、クマゲラにはわかりません。 ・・・・もしメーカさんがこの記事を読んでましたら、フォローをお願いします。)

 しかし逆に、外部から力が加わると簡単に破損してしまいます。落下や、転倒でも、打ちどころが悪いと、破損してしまいます。

 ちょうど、上記のコウヘイ君の「後ろへ~、ならえ」のときには、そのまま静観していれば、骨折することはなかったと思います。思いがけない動きをしたときにも、そのまま見守ってあげましょう。

◆破損を起こす具体的な動き

とはいっても、鉄棒運動では、様々な「思いがけない動き」が起きます。この場合には、重力という外部の力が加わっているので、非常に「危険な動き」ということになります。この危険な動きは鉄棒運動では、常に起こる可能性があります。



鉄棒による骨折(破損)の可能性のある動きの例

 このVTRのでは、いつれもVTRでも肩または腰に慣性力や、重力などの大きな力がかかっています。

 これらの動きは、(樹脂のギヤであれば)たった一回で破損してしまうものもあれば、少しずつ破損していくものなどいろいろあります。このビデオでも、「バシッ」、「バシッ」って鳴っているときがあります。わかりましたか? この音は、歯車の歯が破損している音みたいです。この音が鳴っていたときには、特に注意して点検して下さい。


◆破損を防止するには

ギヤの破損を回避する対策としては、ギヤをメタルギヤに交換することが効果的です。

◆樹脂ギヤとメタルギヤ

以前、デアゴのロボゼロの掲示板(http://deagostini.jp/community/rbx_bbs/detail.php?id=6)で紹介されていた記憶かがあります。その投稿では、ロボゼロのサーボは、双葉電子工業のRS306MDで、これは、同社のRS304MDと同じ製品ということだそうです。(http://www.futaba.co.jp/robot/command_type_servos/rs304md.html

 また、同社のホームページには、「メタルギヤと樹脂ギヤの歯は共通なので、RS302CD、RS304MDにメタルギヤを取り付けることも可能です。」と記述されていることから、ロボゼロに使われているのは、樹脂ギヤですが、メタルギヤに交換が可能ということになります。(http://www.futaba.co.jp/robot/robot_options/servo_gears.html

 
 
樹脂ギヤ(上)とメタルギヤ(下)

 ロボで鉄棒をさせるためには、樹脂ギヤでは明らかに強度不足です。そもそも、ロボゼロは、鉄棒運動をさせるような設計にはなっていないようです。そのため、鉄棒運動をさせるのでしたら、早い時期にメタルギヤへの交換をお勧めします。

 メタルギヤは高価(2,625円)なので、必要な部分だけの交換でいいと思います。コウヘイ君は、両肩(R04、R21)と腰(R6)をメタルギヤに交換しています。先日、股関節(R8)が破損したときに樹脂にするか、メタルにするか悩みましたが、樹脂ギヤに交換しました。、(落下によるものか、鉄棒運動によるものか、分かりませんでした。)

 落下による破損に対してもメタルギヤの効果は高いと思いますが、落下では、どこが破損するかは予測ができないこと。従って、落下により同じギヤが破損する可能性は低いこと。また、今までの鉄棒運動で股関節のギヤは破損していないこと。から、今後もこのサーボが頻繁に破損するとは考えづらいという考えで、樹脂ギヤに(交換)した次第です。また、同じところが破損するようでしたら、今度はメタルにしようと考えています。

◆ギヤの交換

ギヤの交換は、最初は(うまくできるか)心配でしたが、思ったほどで難しいものではありませんでした。サーポ本体の四隅の長ビスを外すと、上蓋を外すことができます。上蓋を外すと写真のように、ギヤが現れます。このとき、この4本の長ビスを外すと下蓋も外れますので、注意してください。


樹脂ギヤ(腰)            メタルギヤ(肩)

 ギヤは、5つの歯車とそのシャフト4本がセットで販売されています。
、破損によるギヤの交換の場合には、破損したところだけでなく、全ての歯車を交換してしまいましょう。余らしていても使い道がありませんので、すっきりと全て新しくすることをお勧めします。ギヤが壊れるときは、いつも同じ歯車が壊れるみたいです。(いろいろなところが壊れるならば、残ったギヤで、セットが作れるのですが。)

 歯車は、出力軸側から1番歯車、2番歯車・・・とすると、2番と3番の破損が壊れます。歯車は、二つがペアで壊れるのですね。
 振り子運動では、1番と、2番が破損しました。あの大きな1番歯車の歯がポロボロになっていました。振るたびに、バシッ、バシッっ鳴っていたのはその度に歯車が破損していたのでしょう。
歯車を交換するときには、シャフトも交換してしまいましょう。聞いた話ですが、樹脂と金属が擦れると金属のほうが摩耗するそうです。

◆ギヤ交換時の注意事項

1)手術台の準備

まず、ロボの手術台を準備しましょう。クマゲラは、ロボがすっぽり入るお菓子の箱の蓋を使っています。淵が低いものが使いやすいです。これを使っている理由は次の二つの理由からです。まず、ロボの手術中の姿勢を崩さずに、方向を変えられるので非常に便利です。二つ目は、淵が付いているので、外したビスが無くならないことです。皆さんも作業しやすい方法を見つけて下さい。



 手術台の例

2)前の状態を記録する

ギヤの交換には、サーボ以外にも、その周りの部品も外すことになると思います。外す時は簡単なのですが、いざ組みつけようとすると、「はて?これはどっちの向きだっけ?」みたいなことが起こります。
 組み立てる頃には、ロボがどのような状態から分解を始めたのかすっかり忘れていますので、作業にはいる前、途中と、しっかりその状態スケッチするか、写真を撮っておきましょう。特に、サーボの位置やホーンの取付角度は、作業中に動いてしまうので、記録しておくと組み立てのときに参考になります。

3)ギヤケースを掃除する

ギヤを外すと、すぐに新しいギヤを組み付けたくなりますが、ここはじっと我慢して、ギヤケースの中をじっくり見てみましょう。。隅のほうに、破損した歯車の破片があるはずなので、しっかり探して除去して、中も掃除しておきましょう。

 後は、外した逆の動作で、新しいシャフトと歯車を組み付けて、少しグリスを塗って、サーボの蓋を閉めて、外した記録メモを見ながら、慎重に組み立てして終わりです。グリスは、ギヤを購入するときに一緒に購入しておきましょう。

◆ギヤの交換すると動きが変わる

ギヤを交換すると、動きが変わるようです。最初にやったあの何回やってもうまくできないバランス調整が必要になるかもしれません。肩と腰ならば大きな影響はないかも知れません。股関節の交換なら必要になるでしょう。コウヘイ君は、最近はクルクル運動しかしていないので、まだバランス調整はしていません。そのうちに一度歩かせてみたいと思います。お正月前には、一度、調整しなければならないとも思っています。

 そもそも、樹脂から、メタルに換えるだけで、動きか変わりました。メタルのほうが動きが重くなるようです。鉄棒運動には、この影響は大きかったです。ギヤを交換したことで、振り子から全てのモーションの値が合わなくなり、できていた動きがてきなみなりました。最初からすべての動きをみながら、個々のパラメータを合わせ込む必要がありました。
 ギヤの交換を考えている方は、これらのことを参考にして、交換するなら早めに交換することをお勧めします。

(モーションデータへの影響要因3:ギヤの材質 といえそうです)

 樹脂からメタルへの交換が、モーションデータへ影響するということは、ロボ自体の個体差も、モーションデータへの影響要因の一つになるかも知れませんね。

(モーションデータへの影響要因4:ロボ自体の個体差 といえそうです)

◆破損の対策

ギヤの交換はしていないが、鉄棒をさせてみたい。という方は、クマゲラがメタルギヤが手に入るまで行っていたギヤの破損を極力減らす方法をまとめてみました。これでも、ギヤの破損は起きていますが、交換の回数はかなり減らすことができました。その手順をご紹介します。

 先ず、準備運動です。(ロボではありません。サポートする人です。)
1)姿勢は、体を鉄棒に対して、左半見、七三(シチサン)に構える
2)左肘を強く引き、手の平を上に向け、平らにして指先までしっかり力を入れてください。
3)指先で突きをする気持ちで、力いっぱい前へ突き出して下さい。  シュッ!、肘を引いてぇ~っシュッ!,ゆっくり引いてぇ~ッ、シュッ!と3回。
4)そう、そんな感じです。もういちど、シュッ!、~っシュッ!,~っシュッ!
5)肩の力を抜いて、目は鉄棒しているロボを凝視し、どのような体制にも対応できるまで訓練して下さい。
6)決して、よそ見などはしてはいけません。

 そして、十分に準備体操がてきたら、この映像を見て下さい。



鉄棒の危険からロボゼロ君を守る方法の例
 

◆ロボットのお店のお話

クマゲラは、先の「後ろへ~、ならえ」の翌日から、ギヤを求めて、あっこっちの模型店へギャを求めて放浪しました。模型ショップには、自動車や、飛行機など、専門がいろいろありました。しかしロボットの模型店は、なかなか見つかりませんでした。
 お店によっては、「フタバのギヤ?、そのへんの棚にあるだけだよ」みたいな対応で、店員どうしておしゃべりしているお店もありました。これは、このお店の経営者の問題ですね。社員教育以前の問題です。「もうニ度と行ってあげないよ。」って感じのお店でした。小売店の風上には置けないお店です。親の顔?じゃなかった社長さんの顔が見たいものですね。(注:大きなお店でしたが、ロボットの模型店ではありませんでした。店名は公表しませんが、心当たりのある社長さん(?)はしっかり行動を改めましょう。こんな社長さんに限って「我が社に限って・・・・」なんでしょうね。社長さんが変わらないとお店も変わらないでしょうね。ほとんどのお店は丁寧に対応してくました。)

 社長さんの顔といえば、先日(月曜日)、毎日使う重要なOOが壊れて、サポートに電話したら、「今日午後から行きます。」さっすがぁ~、のOOさん。しか、その後が悪かった。サポートさん:「これが壊れています。」 クマゲラ:「それでは、手配して下さい。」 サ:「ここへ電話してください。」 ク:(?なんだこの会社)。 サ:「それじゃぁこれで。」 ク:「ありがとうごさいました」・・・ク:(言われたところへ電話して)「あのうOO壊れたので欲しいのですけどぉ~」 サ:「はい。ありがとうごさいます。在庫調べますので、明日の朝一番で連絡します。」 ク:(??な、なんだこの会社)・・・翌朝、待てど暮らせど(・・・???・・)・・・お昼頃になってサ:「在庫ありました。2,3中にお届けできます。」 ク:「お願いします。(????この会社の組織は、ガラパゴスの先祖か?)」・・・そして、OOが届いたのは、土曜日でした(?????な、なんと4日目・・・)。サポートさんは、一生懸命、丁寧に対応してくれたみたいですが、これじゃぁね。

 これは、クマゲラが思うに、社内の仕組みが悪いんですね。これも社長さんの顔がみたい。こんな会社のサポートさんも大変ですね。いくら前線で頑張っても後ろから狙い撃ちされているようなものですね。全国のサポートさんめげ゛ずに頑張って下さい。サポートは企業さんの体質を表わしているんですね。サポートに幻滅させられた消費者は忘れませんね。サポートさんだけで、企業イメージの改善はできないんですよね。 そもそも・・・(長くなりそうなので省略)・・・・我々消費者は、その出来事は忘れても、その時のサポートと企業の名前は一生忘れませんね。こうして静かに企業の消費者離れが起こっていくんですね。そこの製品は売れなくなっていきます。・・・・・また話が大きく脱線してしまいました。<(_ _)>

 逆に、心がこもった対応は、もっと忘れません。困ったことを助けてくれたからです。正に天の助け、地獄に仏です。いい世の中になったと、サポートさんに感謝します。(・・・・また脱線しそう。)

 え~と、話は元に戻って、ロボットのお店をあっちこっち探し回りました。そして、ついに、、感じのいいお店が見つかりました。模型ロボットの専門店で、ロボゼロこそ扱っていませんでしたが、たくさんのロボットがありました。店長さん(社長さん)は、専門知識もしっかりしていて、いろいろ教えてくれました。いろいろなロボットを扱っており、「これはロボゼロでも使える」とか、「これはちょっと難しいよ。」など様々なアドバイスをもらいました。バーツ類の品揃えも多く、「それならこれがいい。」「それが使えるよ」などと、初心者であるクマゲラにも親切に対応してくれました。

 クマゲラは、このお店で、樹脂や、メタルのギヤを買っています。(一時品薄となり、時間はかかりましたがちやんと最短で(?)調達してくれました。)
いろいろと教えてもらいましたが、ほとんど小物しか買わないので申し訳なく思っています。なのでここで紹介させて頂くことにしました。いろいろ買って使ってみたいものはたくさんあるのですが、鉄棒が一段落するまでは無理みたいです。

 皆さんにも安心して紹介できるお店です。行きつけのお店を持たない方、相談するお店が欲しい方は、こちらのお店を検討してみたらいかがでしょうか。
秋葉原のお店で、Robot Shop テクノロジア といいます。 


 当然、メタルギヤの在庫も(先日行った時には)まだあるそうです。機会があったら、寄ってみて下さい。地方対応も可能だそうですので、何かお困りのことがごさいましたら、思い出して頂けると嬉しいです。



◆おまけ

骨折の話ではありませんが、鉄棒でグルグルをやっていると、ケープルがからまったり、落下したりして、ケープルを強烈に引っ張ることがよく起こります。これは深刻な問題です。ケープルのみならず、基盤のコネクタや、基盤にも破壊的な力がかかることは、想像するに容易いことです。基盤の破損はなんとしても避けなければなりません。

 クマゲラはこの問題について、テクノロジアの荒井店長さんに相談したところ、名案を頂きました。
「これを使うといいよ」シリアルケープルの短い延長ケープルを教えてくれました。このケーブルを本体に固定することで、壊れるのなら、コネクタや基盤ではなく、この延長ケープルが壊れるようにすればいいのです。少なくとも、この延長ケープルか、信号ケープルが壊れることで、コネクタや基盤の破損を防ぐことがてます。

 さっそく、シリアルの延長ケープルを買ってとり付けました。



 昨日も派手に落下しましたが、シリアルケープルはみごとに外れてパッチリです。クマゲラは、たわいのない紹介が多く皆様の貴重な時間を浪費させて頂いておりますが、これはお勧めです。

◆次回の予告

お待たせしました。お待ちかねの「近いうち解散」じゃなかった「近いうち公開」のお約束の条件が整いました。次回は、グルグル・プログラムをご紹介させて頂きます。それまでにメタルギヤを準備しておいてくださいね。

 一度、樹脂で遊んでからメタルに交換するのもいいかも。手元にあれば、いつでも交換できるので。その気で観察する(比較しながら)といろいろなことが見えてくるかも知れません。それまでは、
くれぐれもシュッ!、シュッ!で守ってあげて下さい。




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